トンタッタ族の証言から考える空白の100年のこと<後編>
トンタッタ族の証言から考える、空白の100年のこと<前編>の続き・・・空白の100年の考察です。
■そもそも空白の100年とは?
まだ明らかになっていません。
その答えはリオ・ポーネグリフに記されているはず。
というのがロビンの今のところの考えです。
そして空島で、世界に点在するポーネグリフをつなげて完成するひとつのテキスト、それがリオ・ポーネグリフだということをロビンは突き止めました。
グランドラインの最果てでリオ・ポーネグリフは完成します。
つまり、ここでトンタッタ族が断片でも語ってしまったら、リオ・ポーネグリフを見つける意味が無くなってしまいます。
よって、「何があったか知り得ぬ」のは、物語上まあ当然のことでしょう。
■オハラにて
空白の100年およびポーネグリフを調べることを政府は禁じています。
ロビンの母オルビアがその罪で殺され、故郷オハラは滅ぼされました。
禁じる理由はというと、強大な古代兵器が復活され、世界が滅ぶ危機となるから、とされていますが、これについてオハラのクローバー博士が「大胆な仮説」を述べました。
これを要約すると、、、・ポーネグリフは砕けぬ石に記されたメッセージ。
・メッセージは滅亡した者たちによって未来へ残された。
・滅亡させたのは後に世界政府となった者たち。
・世界政府は、空白の100年が終わった800年前に誕生した。
・”空白の100年”とは世界政府によってもみ消された”不都合な歴史”。
・もみ消されたのは、ある巨大な王国の存在。跡形も無く消されている。
・ポーネグリフを読み解くことで、その王国の”思想”が呼び起こされる。
・その”思想”が世界政府にとって脅威。だから禁じる。
空白の100年の間には、後に世界政府となる連合国と滅亡した巨大な王国の戦争が行なわれたと考えられます。
”巨大な王国”やその”思想”とは何なのかまだ何一つ明らかになっていませんが、”Dの意思”と何となく関係があることは、白ひげの死に際の言葉から推察されます。
まとめると・・・
・巨大な王国が滅ぶほどの大戦争があったっぽい。
・世界政府は”思想”と”巨大な戦い”を恐れている。
だから空白の100年を隠す?
・ワンピースを見つけたとき、世界がひっくり返る。
=戦争が起こる?価値観が変わる?
・”Dの意思”つまりルフィがそれを成す?
■トンタッタ族の証言
ということで、「空白の100年には戦争があっただろう」ということ以外、まだ何にもわかっていません。
しかし。
ガンチョの台詞は意味深なのです。
どことなく違和感があります。
整理してみましょう。
まず、トンタッタ族の奴隷時代。
ドンキホーテ王に支配されてしまい、「900年前」まで続いたそうです。
書物に克明に記されている事実だそうです。
そして空白の100年。何があったか知り得ない、と。
で、ドレスローザに新たな王”リク王”が誕生したのが「800年前」。
・・・うーん、おかしいですね。
普通なら新たな王が誕生した時点で、奴隷時代は終わりなはず。
つまり800年前。
でもガンチョは、奴隷時代は900年前の時点で終わったように言っています。
要するに、空白の100年の間は、奴隷時代ではなかったと。
何があったかは知らないけど、奴隷時代ではなかった、と言っているわけですね。
不自然だと思いませんか?
本当に何があったか知らないのでしょうか?
まるで何があったか知っているような雰囲気ですね。
なお、空白の100年”以前”のことも”以後”のことも”書物に残っている”ことは、とても気になりますが、論点がずれるので今回はスルーします。
でも、ガンチョは本当に知らないのでしょう。
いや、知らないことになっているのでしょう。
■作者の視点?
と言うのも、これは尾田先生の”作者の視点”が入っていると思うのです。
メタ視点を考察に持ち込むのは邪道かもしれませんが、尾田先生としてはハナシをわかりやすくするために、ガンチョに勘違いや推測であろうと真実と異なる情報を言わせたくなかったのだと思います。
仮にガンチョが「リク王がドレスローザの王になったのが800年前なのだからその時点で奴隷時代は終わったはず」というセリフを言ってしまったら、我々読者にとってはそれが真実になってしまいます。
でも本当は、ドレスローザには奴隷どころではない何かが起こっていた。
だとすると、奴隷時代とは呼べません。
そしてその場合、我々読者は「でもあのときガンチョが800年前まで続いたと言っていたよなー」となるので、そのセリフを後で誰かが否定しなければなりません。
そんなのややこしくてわかりにくいですよね。
否定がなければ矛盾になるし。
だから、ガンチョは、空白の100年の間は知らないけれど奴隷時代ではない、というような紛らわしい発言をしたのだと思われます。
もっとザックリ言うと、キャラに伏線に関するウソ情報は言わせない。
ということです。
ストーリーの根幹に関わる重要な情報(の登場人物による推測)は、ウソやダミーをホントの情報と混ぜこぜにバラまいて、後からあれはウソでこれはホントで、とかやらない。
と言いきっていいと思います。
そうすると、例えば白ひげのワンピース発言、クローバー博士の巨大な王国発言、ロビンのリオ・ポーネグリフ発言などもぜんぶキャラの推測レベルだけど、当たっていることとして捉えていいと思います。
えー、回りくどく言いましたが、今回わかったことは、空白の100年には小人達は奴隷ではなかったということでした。
奴隷どころではない何かがあったと考えられます。
以上です。