単行本派の方はネタバレにご注意ください。
さて、ドフラミンゴもヤケクソになって、ドレスローザ編も佳境のワンピース、残念ながら今週はGWのため、ジャンプは休刊でした。
絶体絶命のピンチのハズなのに、なおゲームに興じる若様。
ルフィ達をあえて一度逃がし、狩るか狩られるか、ドレスローザにいる全員を巻き込んだハンターゲームなど。
ドフラミンゴのクレイジーさがうかがえます。
この休刊の間に、ドレスローザ編のクライマックスとその先をより楽しむために、これまでの伏線を整理してみようと思います。
その前に、まず大きな話の流れから。
ドレスローザのあらすじではなく、もっと大きなストーリーの整理です。
■何しにドレスローザへ?
スマイル工場を破壊するためです。
”スマイル”とは、シーザークラウンの製造する”SAD"という物質を元にしてつくられる、ゾオン系の”人造悪魔の実”のことです。
この”スマイル”を、”ジョーカー”はドレスローザにある専用の工場で造り出し、これを使って新世界の大物達と取引をしています。
■”ジョーカー”とは?
七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴの闇の名です。
ドフラミンゴは、新世界における裏社会で最も信頼と力を持っているそうで。
「武器・・兵器・・ドラッグ!ヤベェ物にはみんなあいつが絡んでる!」
「あらゆる闇の大物達と通じている」「新世界の闇を仕切る男」だそうです。
しかも、ドフラミンゴは海賊でありながらドレスローザの現国王です。
青キジいわく、極めて異例づくしの海賊。
「最悪の場合、歯車はみるみるくい違い、サカズキの新「海軍本部」始まって以来の、ドデケェ山になる」とスモーカーに忠告しています。
「目を離すな」と言われていました。
ですが、この頃はまだジョーカーはルフィ達の直接の標的ではありませんでした。
■ではなぜスマイル工場を破壊するのか?
四皇の一人、”百獣のカイドウ”の首を取るためです。
カイドウは今、ジョーカーから大量のスマイルを買い込んで、ゾオン系の能力者を生み出し、500人を超える能力者軍団を組織しているそうです。
この能力者誕生をストップさせ、まずはカイドウの戦力を減らしていく作戦です。
新しく七武海になった”最悪の世代”の一人、トラファルガー・ローの発案です。
そのために、麦わらの一味とハートの海賊団による、”海賊同盟”を結成しました。
また、ローは何ヵ月も前からそのための”仕込み”をしていました。
■ローのシナリオ(表)
ルフィに同盟を持ちかけたのは偶然の成り行きでしたが、まるで彼らを待っていたかのように、ローのスマイル潰しは計画されていました。
スマイルがSADを元に造られる事を知ったローは、パンクハザードへ上陸します。
シーザーには、世界政府の研究を調べる為、というテイで研究所に潜り込みます。
本当は、SAD製造室に辿り着くため。
七武海になったのもそのため。
パンクハザードでルフィを味方につけたローは、ルフィにシーザーを誘拐させ、自分はSAD製造室をブチ壊しに動いたのでした。
結果、成功。
つまりSADをもう造れないようにしたのです。
SADを造れないという事は、スマイルを造れないという事。
スマイルを造れないドフラミンゴは、カイドウに消されるはず。
ドフラミンゴとカイドウを潰し合いさせることができれば、カイドウの戦力を削り、ドフラミンゴも消せる、という一石二鳥。
ドフラミンゴとは直接戦いませんよ。
・・・ってゆうシナリオです。表向きは。
少なくとも,麦わらの一味はそう理解しています。
■ローのシナリオ(裏)
ところが。
ローの本心は少し違いました。
この作戦には、裏のシナリオがあったのです。
ローの個人的な目的を果たすために、麦わらの一味は利用されたのでした。
「四皇カイドウの打倒」は、ルフィを味方につけるための口実だったのです。
とはいえ、ローはいい奴には違いありません。
ルフィ達を裏切るような事は実際何もしていません。
SAD製造室を破壊し,SADを造れるシーザーを誘拐し,スマイル工場を破壊する。
そこまでは、2つのシナリオに共通する筋書きです。
ただ、なぜシーザーを抹殺するのではなく,誘拐なのだろう、と思っていました。
ドフラミンゴも「いやあおれならブチ殺す・・!」って言っていましたし。
でもローが言うには、それはスマイル工場を破壊するためにドフラをおびき出し、時間稼ぎをするための、言わば”エサ”としてシーザーを使うためなのだそうです。
あくまでメインはスマイル工場の破壊ですからね。
いや、待てよ。
しかしそれでも、本当にスマイルの根絶を狙うのならば、シーザーを生かしていてはいけないはずですが、なぜか誘拐という手段を取った。
実はそこには、作戦とは別にローの個人的な思惑があったからなのです。
サンジもその辺の違和感を感じていたようですね。
実は、ローの狙いはドフラミンゴそのものだったのです。
だからシーザーを使ってドフラミンゴを呼び寄せたのです。
そして刺し違える覚悟で,ドフラミンゴと決闘。
カイドウの首を狙う作戦は続行させたまま,命を捨てて”同盟脱退”したのです。
スマイル工場を破壊させておけば、どっちにしろルフィはカイドウを狙えるし、ローが死んだとしても、ドフラミンゴはカイドウに消されます。
・・・ってゆうシナリオだったのです。本当は。
だとしたら、ローはドフラミンゴに”勝つ”というよりも、彼を”確実に殺す”、という目的を持っているように思えます。
ローいわく、「13年前のケジメをつける」ためだそうです。
■ドフラミンゴにしてみれば
もう散々です。
順調にスマイル商売をしていたところ、いきなりSADの供給を止められ、一番古い付き合いのヴェルゴを消され、モネも消され、ジョーカーの事も海軍(スモーカー)にバレて、本拠地へ攻め込まれて、オモチャ化を解除され、エサとして用意した、せっかくの自然系メラメラの実をみすみす誰かに食われ、今まさにスマイル工場を潰されそうになっているわけです。
ローとの間にどんな因縁があるのかはこれからの話ですが、ドフラミンゴが余程の悪人でなければ釣り合いが取れないほど、滅茶苦茶にされちゃっていますね。
以上が大きな話の流れ。これを踏まえつつ。
746話を読む前に知っておくべきいくつかの未回収伏線へと続きます。